就業規則の周知の方法と押さえておくべき2つのポイント

  • 就業規則を作成していたけど、あまり周知に力をいれていなかった
  • この記事を読んだ良いタイミングで就業規則を改良したい
  • 今ある規則の内容をもっと社員に理解してもらうために改めて周知をしたい
  • そもそもうちの今のやり方で問題がないか相談したい

このようなお悩みを抱える中小企業の経営者も数多くいます。あなたの会社のルールは、社員へきちんと伝わっていますか?

就業規則をはじめとした会社のルールは作っただけでは意味がありません。

当たり前ですが、そのルールを伝達し、社員全員に浸透し、意識が高まり、結果としてみんながそのルールを守るモラルの高い組織になることが一つのゴールになります。

正直にいって、就業規則は作るよりも、この社員に浸透させて運用していくことの方が難しいといえます。

現場での経験をこなし、たくさんの企業の事例をみるほどに労務管理を実施するうえで、この「周知」を適切にすることの重要性を改めて感じます。

 

さて、就業規則は、既存のルールを変えた場合には、スタッフへ周知をする義務が会社にはあります。このページでは、法律上の就業規則の周知方法を解説し、その次に押さえておくべきポイントについて解説いたします。

目次

  • 法律上定められている3つの周知の方法
    1、事業所の見やすい場所へ掲示し、または備え付けること
    2、書面を労働者へ交付すること
    3、PC等の機器にデジタルデータとして記録し、労働者がいつでも見れるようにすること
  1. 就業規則の周知に関わる法律上の要件とは違う課題
  2. 就業規則を社員へ浸透させるために会社が本当にやるべきこと

法律上定められている就業規則の3つの周知方法

就業規則の周知の方法は、以下の3通りが法律上認められる方法となっています。

 

1、事業所の見やすい場所へ掲示し、または備え付けること

2、書面を労働者へ交付すること

3、PC等の機器にデジタルデータとして記録し、労働者がいつでも見れるようにすること

 

感覚としては中小企業は1や2が多く、3はネットワーク環境が必要なこともあり大企業に多い気がします。

社内のネットワーク環境が整備されているような企業では、企業規模によらず3の方が楽かもしれません。どの方法も用いても「周知」が為されれば問題はありません。会社にあった方法を選びましょう。

なお、周知については、社員が見たいと思ったときに「見れる」ようにしておけば足ります。

よって、例えば、社内データベース上にアクセスし、誰でも社員は見ることはできるが、就業規則を印刷することに制限をかけたりすることなどは問題ありません。

法律上も社員が自由に印刷できることまでは求めていません。見れればOKとなります。

さて、ここまでが法律上の要件となります。

次に就業規則を周知するにあたり、押さえておくべき2つのポイントを見ていきます。

1.就業規則の周知に関わる法律上の要件とは違う課題

法律上の要件は先ほど上げた3つの方法のどれかをやれば要件はクリアします。

しかし、この周知は、法律上の要件を満たすだけではなかなかルールが浸透しない、うまくいかないという現実があります。

例えば、見よう見まねでネットに起きているサンプルで就業規則を作った場合などでは、次のような課題が発生します。

  • 経営者が作成した就業規則の内容をきちんと理解しておらず説明ができない
  • 内容がよくわからないので、質問されたら困るのであまり周知に力を入れない
  • 伝えるべきポイントがよくわからず、会社に都合のいい部分だけ説明してしまう
  • 社員側も説明不足のため、ルールがどう変わったのかを知らない

結果として、せっかく作ったルールが社員に浸透しないという運用上の問題が発生します。

これは制度の中身の問題ではありません。どんなにいいルール・制度を作っても実行されなければ意味がありません。

 

経営者の理念をスタッフに浸透させることの難しさにも通じるところがあります。

ここまでくると法律論では解決しません。 伝え方の問題になります。

2.就業規則を社員へ浸透させるために会社が本当にやるべきこと

ここで、就業規則を社員へ浸透させるための方法として、例えば次のようなものが考えられます。

  1. 社員と個別に面談をして趣旨を説明し、なおかつサイン等を書面でもらう
  2. 集合研修のような形で説明会を開く(小さな会社であればスタッフミーティングの際に説明する)
  3. 経営者が幹部(部課長・店長など)へ説明し、幹部が一般社員へ説明する
  4. 朝礼などで経営者が直接趣旨や概要を伝える

※条件が悪くなる不利益変更の場合には必ず1をお勧めいたします。

 

課題としては、上記の方法のどれを選んでも、その伝え方、プレゼンテーションの仕方によって、結果としてスタッフへの“伝わり方”にレベル差がでてしまうことです。

3などは特に、伝え方もさることながら、幹部とその部下の人間関係によって伝わり方が変わってきてしまうという残酷な事実があります。

そして、肝心なことは「何を伝えるか」です。とにかくサインしろよ、では社員にとってみればよくわかりません。よってあまり周知の効果も期待できません。

そのためには、周知をする人事担当者(または社長自身)が、最低限のポイントを理解しておく必要が前提条件になります。

 

社長以下役員は、社員はみんな賛成・同意してくれるものと思っていたら、反対意見・不満がでてきて、全く違う状況になってしまった。

あまり考えたくないことですが、実際に起こり得る事実です。

 

どんな制度・ルールをつくるのか? はもちろん大切です。

しかし、それ以上に、作ったルールを社員へ伝え、浸透させ会社のルールを守ってもらうのか?ということの方がより大事です。

就業規則の周知・運用こそ専門家の社労士のサポートが必要

ここまで、就業規則は作成することよりも、むしろ浸透させて運用していくことの方が重要であること、しかしそのルールを浸透させるのが実際には難しいということをお話してきました。

ルールを浸透させるためには、「説明する」→「合意を得る」が当然の流れです。

しかし、この説明の仕方などには、労働法に関する豊富な知識と現場で培った経験値が必須条件となります。

就業規則の周知といっても、相談相手も誰もいず、経営者が一人でやるには簡単にできることではありません。

単に、製本した就業規則を社員に渡したからといっても、まずルールは浸透しません。

合意形成を図るためには、社員のみんながなるほどと納得するだけの説明をして、その必要性を理解してもらう必要があります。

そして、制度変更をすることが会社の未来につながると信じてもらうことが必要です。

しかし、社員に説明するための資料を作り、これをもとに社員に説明し、納得を得るという作業を、中小企業では、経営者ご自身もしくは人事担当者が行うのは相当ハードルが高いと言えます。

 

せっかく就業規則を作成し、設計したルールを浸透させモラルをあげるためには、就業規則に詳しい経験豊富な専門家である社会保険労務士に依頼するのが一番です。

なお、弊所代表の志戸岡は10年以上に渡りこの仕事をしておりますので、どのような流れで進めていくべきか、また、その際にどのような資料を用意しどのような説明をすれば社員が納得しやすいのか、そのノウハウを持っています。

よろしければご相談ください。

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