残業代の支払い方法、給与体系でお悩みの方へ

残業代の支払方法・給与体系でお悩みの方へ

残業代。

どこの会社でも課題の一つになっています。

過重労働に対する行政の取り締まりが以前にも増している今、残業時間・残業代は経営者の悩みの種でもあります。

 

全く利益に繋がらない作業をしていたとしても、一部の人を除いて時間で給料は決まってしまうため、残業代が発生してしまいます。

では、この残業代はどうすれば減らせるのでしょうか?

ここでは、残業代に関わる注意点や法律上認められている合法的、合理的な残業代の支払い方法をご説明いたします。

目次

  • サービス残業による未払い賃金へのペナルティ
  • 残業代を削減するにはどんな方法があるか?
  • 残業代込で固定月給を考えるやり方
  • 極力残業代が発生しないような休日設定にするやり方
  • フレックスや裁量労働等の特殊な労働時間の管理方法にするやり方
  • そもそも時間の管理方法はタイムカードじゃなきゃダメなのか?
  • 就業規則で制度を作ればそれで済むのか?

サービス残業による未払い賃金へのペナルティ

「先生・・・。弁護士から請求書が来ました。こんな金額いきなり・・・厳しいですよ。」

「金額や払い方は交渉の余地はあるとは思いますが・・・払わざるを得ませんよ。」

「先生・・・これ、払わなかったらどうなるんですか?」

「相手方に弁護士がついているので、おそらく訴訟になるでしょう。そして、訴訟になると支払う金額が今よりもっと多くなるリスクがありますよ。それに加えて弁護士費用もかかりますね。」
 

これは、よくあるサービス残業トラブルでの事例です。

サービス残業による未払い賃金請求はある日突然、唐突にやってきます。

「あいつ大して仕事してなかったのに・・・。」と、文句を言いたくなる経営者の気持ちもわかりますが、労働の「質」の問題はさておき、働いた時間分は賃金を支払う義務があります。

不合理とはいえ、どんなに「質」が悪くても「量」(時間)働かせればその分を支払うのが今の日本の労働法のルールです。

さて、このサービス残業による未払い賃金の支払ですが、場合によってはただ不足分を支払えばいいというものではありません。

払わなかったペナルティが課されることがあり、このペナルティを「付加金」と言います。税金でいうところの重加算税のようなものです。

そこでこの付加金の金額なのですが、なんと最大で請求金額と同額を支払うリスクがあります。

例えば、500万円の未払残業代があるとしたら2倍の1,000万円まで支払う金額が増えてしまうリスクが実はあります。

以前、テレビドラマで流行った「倍返しだ!」という言葉そのままの仕組みになります。悪いことをすると、逆にカウンターを食らってしまう恐れがあるということです。

この付加金は裁判所が命じるものとなっており、故意・悪質な事例に適用される傾向があります。

ちなみに、この付加金は次の4つのお金が対象となります。

  1. 解雇予告手当を支払わないとき
  2. 休業手当を支払わないとき
  3. 割増賃金を支払わないとき
  4. 年次有給休暇の賃金を支払わないとき

リスクを考える場合、発生する確率×発生した時のダメージ=リスク評価値となります。

そして、サービス残業が放置されている会社では、このリスク評価値が最も高くなり、真っ先に手をつけるべき課題といえる項目です。

何も対策しないことはどう考えても、時代錯誤な対応ですので、自社にあった対策を検討するべきです。

残業代を削減するにはどんな方法があるか?

理想論は、無駄な(利益に繋がらない)残業自体を減らす、無くすことです。

でもなかなかそううまくはいきません。よって、なかなか減らせないという前提で考えた場合は以下の方法があります。

これらの制度の仕組みを考えて、就業規則として制度化することが一つの案となります。

1、残業代込で給与を考える

2、極力残業代が発生しないような休日設定にする

3、フレックスや裁量労働といった特殊な労働時間の管理方法にする

以下に、一つ一つ見て行きます。

残業代込で固定月給を考えるやり方

1つ目の残業代込の給与ですが、これは固定残業代と呼ばれる制度で、今ではかなり多くの企業が導入し、メジャーな制度となりました。

 

一部ではこの制度を利用している企業はブラックだ!などという間違った報道もありますが、私からすると違います。制度自体に罪はありません。制度を悪用するからブラックになるだけです。

固定残業代制度はきちんと運用すれば、合法的な制度です。

どの業種でも利用できますが、業界として長時間労働が解消しにくい飲食業や建設業、介護事業などが事例として上げられます。

 

ただし、この固定残業代制度は劇薬です。次のようなメリットもデメリットも両方あるため、十分理解したうえで導入・運用していく必要があります。

<メリット>

  • 合法的な仕組みを作ることで、未払い残業代を社員から請求されるリスクが大幅に減ります。
  • 時間管理を正く経営者が理解することで、社員を雇用する上で必要な知識や知恵を覚えることができます。
  • 究極的には、少ない時間で最大の成果を出すように生産性を高めることが目的ですが、その過程として必要な対策もわかります。

 

<デメリット>

  • 法的にOKだからといって、社員にきつい条件、制度をつくることは会社の文化にそぐわないことも考えられモチベーションに悪影響がでる可能性がある。
  • 他社と比べてきつい労働条件になれば、採用や離職率にも影響がでてしまう。

 

例えば、月給30万の社員を考えてみます。

基本給で30万のA社。

基本給25万+固定残業5万の合計30万のB社。

基本給22万+固定残業8万の合計30万のC社。

 

支払う金額が同じ30万だとしても、働く社員からすれば待遇が全く違います。

法律と「心」の部分は全く別問題なので、さじ加減がものすごく大切になります。

極力残業代が発生しないような休日設定にするやり方

2つ目の残業代が発生しないような休日設定とは、1年単位で前もって休日カレンダーが設定できるような会社に使える手法です。

今の法律では週休2日が基本です。土日どちらかに出勤するとすぐに残業代が発生してしまいます。

これを1年単位の年間休日制度(正しくは1年単位の変形労働時間制)を利用することで、ゴールデンウィークやお盆、年末年始などで多く休日を取った分、繁忙期の土曜日や日曜日に出勤しても、つまり1週6勤の部分を作っても残業代が発生しないようなシステムを作ることができます。

これは、年間で季節要因などで繁忙の波が比較的読みやすい業種に適した制度と言えます。

年間カレンダーで労働時間・勤務日を決めて管理する方法を「1年単位の変形労働時間制」といいますが、基本的な要件は以下となります。 

■1年単位の変形労働時間制の要件■
1、労使協定書を作成しにて次の項目を協定すること

  • 対象労働者の範囲
  • 対象期間及び起算日
  • 1年で特に忙しい期間で週48時間を超える場合はその期間「特定期間」
  • 労働日及び労働日毎の労働時間
  • 協定の有効期間

2、期間を平均した1週間の労働時間が40時間以下であること
※特例対象事業場は44時間でOK)
カレンダーを作るときはこのアベレージの数値をみて休日を設定することになります。

3、管轄の監督署へ協定書を届け出ること

4、就業規則(労働契約書)に変形労働時間制を採用することを明記すること


協定書だけではなく、就業規則の整備も必要になりますが、ポイントは会社の実態に合わせていかにうまく休日を設定していくか、に尽きます。

よくある間違った取扱いとして、次のようなパターンがあります。

  • カレンダーは作っているけど、実は年間休日日数が足りていない
  • カレンダーだけ作って運用しているが、監督署に届け出ていない
  • カレンダーはあるが労使協定を作成していない
  • カレンダーと協定書はあるが就業規則を作成していない

こういった場合、そもそも、1年単位の変形労働時間制の適用が認められず、通常の労働時間で算定されてしまい、会社側が考えている以上に残業時間が過大になってしまう恐れもあります。

制度の適用をうける為には、きちんとした手順で手続きを踏む必要がありますので、注意が必要です。

フレックスや裁量労働等の特殊な労働時間の管理方法にするやり方

3つ目のこのフレックスや裁量労働といった労働時間の管理方法は特殊な時間管理の方法であるため、会社や業種を限定します。どの会社にもオススメ!というわけではありません。

フレックスタイム制は出勤と退勤の時間をある程度幅を持たせて、社員に自由な働き方をさせる制度なので、社員全員そろって出社する必要がある業種や会社はまず無理です。

 

また、通常よりも多くの自由を社員に与えるため、社員にも短い時間でも成果を出す意識がないと、余計に効率が悪くなる恐れもあります。

 

また、後者の裁量労働制という制度は、フレックスよりもさらに大きな仕事の進め方に裁量を社員に与えて、時間よりも成果で給与を決定していく制度です。

そのため、適用できる職種も非常に限定されており、一般的な営業マンや事務職には使えません。研究開発職やデザイナーなど一部の特殊な人向けの制度です。

そもそも時間の管理方法はタイムカードじゃなきゃダメなのか?

労働時間を記録することは会社の義務ですが、別にタイムカードじゃなくたっていいです。

紙でも

エクセルでも

クラウドでのソフト(アプリ)でも

何でもいいんです。きちんとその人が何時間働いているのか?何日出勤しているのか?が分かればいいんです。

最近は色んな便利なツールもあります。

コストと利便性、計算の手間がないやり方で管理してもらえればOKです。

就業規則で制度を作ればそれで済むのか?

どんな制度も作っただけではあまり意味はありません。

就業規則で上記の何らかの制度を新しく作っても、運用ができなければ意味がありません。

具体的には、勤怠管理と給与計算のやり方を制度に合わせた方法にする必要があります。

 

このあたりは社長自身が計算するのは手間ですので、外部に計算自体をアウトソーシングするか、給与計算担当者にしっかりと制度を理解してもらう必要があります。

弊所では、就業規則を作成するだけではなく、作成したあとの社員への周知・徹底、給与計算の実務担当者への支援まで幅広くフォローしております。

以下にサービス案内をご紹介いたします。

◆サービス案内

就業規則の作成、改定を中心とした弊所のサービス案内をご説明いたします。

弊所へのご相談の流れ

お問合せから御相談、契約までの流れをご説明します。

お問合せ

まずは電話または問合せフォームにてお問合せください。この段階では一切費用は頂きません。

対面相談(来所)

お問い合わせに対する回答を踏まえ、対面相談を希望される方は弊所へ来所頂き、直接お話を伺います。この段階も一切費用は頂きません。

ご契約

ご依頼内容に応じて見積を提示致しますので、サービス内容にご納得いただけたら、契約となり、この段階から報酬が発生致します。

お問合せはこちら

東京都千代田区の志戸岡社会保険労務士事務所のホームページにお越しいただき、ありがとうございます。弊所は就業規則の作成・改定を専門とする社労士事務所です。

お電話でのお問合せはこちら

03-6264-8320

千代田区・文京区をはじめとした中小企業経営者の方のご相談をお待ちしております。

■東京都千代田区三崎町2-15-4 奥山ビル6階
受付時間:10:00~19:00(土日祝を除く)

 面談の申込・お問合せ

電話でのご予約・お問合せ

03-6264-8320

メールでのお問合せは24時間受け付けております。お気軽にご連絡ください。

社会保険労務士 志戸岡 豊

志戸岡事務所について

JR水道橋駅より徒歩2分です。

千代田区三崎町2-15-4
奥山ビル6階

詳細は事務所案内をご覧ください。

03-6264-8320

 著書の紹介

社長!そろそろ口約束の労働契約はやめましょう

出版:労働調査会

出版社ページはこちら
 

改訂版「労務リスク・トラブル」いざのときの対処法Q&A

出版:セルバ出版

出版社ページはこちら

無料コンテンツ

7日間のメール講座で“従業員10名未満の経営者が知っておくべきこと”をお伝えします。現場ですぐに使える労働契約書の無料サンプルを特典資料としてプレゼント!

詳細はこちら

1日5分×7日間のメール講座で中小企業の人材定着の問題の本質を理解して、離職率を下げて定着率を改善するコツ・ポイントを無料メール講座で公開しています。

詳細はこちら

人事・労務に関する最新の時事情報、労務管理のツボを分かりやすく、タイムリーにまとめたニュースレター・メルマガを配信しています。

詳細はこちら