賃金規程で通勤手当の支給基準を決めたいとお悩みの方へ

  • 就業規則で給与の支給基準を規則できちんと定めたい
  • マイカー通勤OKにしたら何に注意するべき?
  • 会社の車で直行直帰させても問題ない?
  • 自転車通勤の取扱いはどうすればいいの?
  • バスと電車はどちらもだしてあげるべき?
  • 通勤手当は給与なの?て絶対だすべきもの?

 

就業規則・賃金規程での通勤手当に関するこんなお悩みや疑問、ありませんか?

経営者が就業規則を考えるときに一番悩むのが、賃金・給与についてです。

 

しかし、上記のような細かい疑問をもたれている企業も多いにもかかわらず、中小企業ではその内容がしっかりと就業規則・賃金規程に落とし込めていません。

そのため、

「この場合の基準、就業規則・賃金規程に書かれてないけどどうしよう・・・」

「うちの会社には就業規則も賃金規程もないからなあ・・・」

とお悩みになる経営者・人事担当者の方が多数いらっしゃいます。

例えば、諸手当の中で最も一般的な手当でもあるものに通勤手当があります。

就業規則や賃金規程のサンプルで通勤手当の項目でよく見かける表現として「非課税限度額」までを支給する、というものがあります。

しかし、この非課税限度額を理解していない方も多いのではないでしょうか?

ここでは、中小企業の経営者・人事担当者が就業規則や賃金規程で考えるべき支給基準をご説明いたします。

目次

  • 就業規則・賃金規程での支給基準・支給限度額の決め方
  • 賃金規程で支給対象者と支給限度額は最低限きめておく
  • 賃金規程で支給基準がないことで想定されるトラブル、問題
  • 通勤手当以外の諸手当をどう支給するか?

就業規則・賃金規程での支給基準・支給限度額の決め方

まず、大前提として支給の有無については、法律上の定めで「いくら出さなければいけない」というルールはありません。

法律上のルールをしいていうとすれば、いくら以上は所得税の対象となってしまう、というルールだけです。

よって、就業規則・賃金規程で、あなたの会社独自の支給基準や限度額を決めていくことができます。

しかし、自由に決めていいとはなってはいるものの、弊所が就業規則や賃金規程の改訂依頼をうけた際に、お客様の現状の就業規則や賃金規程をチェックしてみると、支給基準があいまい、もしくは規定されていないことがかなりあります。

具体的なよくあるパターンとしては次のようなものがあげられます。

  • どの通勤手段までだすのかという支給対象者が不明確になっている
  • 支給限度額が賃金規程に決められていない
  • 支給限度額が非課税限度額になってはいるが、その内容を理解していない
  • 実費支給としか書かれていない
  • 支給申請時に証明書を添付していないなど運用面がルーズになっている
  • 経費としての旅費交通費との区分がよくわからなくなっている

いかがでしょうか?

あなたの会社の就業規則・賃金規程ではきちんと定められているでしょうか?

社員数の少ない会社では、就業規則・賃金規程を作成していない会社も多いため、該当する人も多いのではないでしょうか?

何か一つでも当てはまるものがあれば、やはりきちんと就業規則や賃金規程で基準、規定を定めておく方が公平さにもつながりますし、会社が思わぬ負担を背負う事態も予防できます。

ちなみに、諸手当も賃金の一部ですので、基本給などと同じように、通常は就業規則・賃金規程の中でルールを作成していきます。

ただ、一方で就業規則の作成義務は社員が10名以上の会社となっています。

よって、起業したての会社など就業規則がない会社もたくさんあります。

 

では、そういった企業ではどこで規程していけばいいのか?また、作る必要はないのでしょうか?

これは、就業規則は作成義務はありませんが、もし就業規則がない場合は、労働契約書などの別の書類に給与の支給基準は明記しておく必要があります。

 

労働契約書は就業規則と違い、社員がアルバイトの1名であっても必要な重要な書類です。

もちろん、社員数が10名未満であっても、せっかく支給基準を作るのであればしっかり就業規則、賃金規程を作りたい!ということであれば、それはそちらの方が良いと言えます。

いずれにしても、諸手当を含めた給与の内容は、経営者も社員も一番気にする部分です。

あとで誤解が生じないように、給与・諸手当の支給基準は、従業員1名でもしっかりとルールを決めておくべきです。

就業規則と労働契約書はどちらが強い(優先されるか)といったことなど、両者の関係性については以下の記事でご説明しています。

賃金規程で支給対象者と支給限度額は最低限きめておく

それでは具体的に、就業規則・賃金規程の内容を作成する際のポイントですが、最低限決めておくべき内容として支給対象者と支給限度額があります。

まず、支給対象者ですが、これは

・交通機関利用者にだけ出すのか?

・マイカー通勤にも出すのか?出す場合の支給方法は?

・バイクは?自転車は?自転車利用の駐輪場代は?

 

といったことを明確にしておく、ということです。

都内の会社で駅から徒歩圏内であれば、そもそもマイカー通勤はNGな場合も多く、その場合は交通機関利用者だけと決めておけば問題ありません。

会社の立地と従業員の通勤方法を考慮して決めていきます。

 

次に、限度額を考えてみます。

一般的な就業規則の雛型では、“交通機関の定期代実費を支給”そして、支給限度額として“所得税法に定める非課税限度額とする”とあります。


では、そもそも、非課税限度額とはいくらなのか?

この金額を理解せずに規程だけが存在していることもあります。この内容自体が悪いわけでは決してありません。規程の内容の金額を経営者・会社が正しく把握できていないことが問題なのです。

非課税限度額(所得税がかからない限度額)は、交通機関を利用する場合とマイカー・自転車通勤の場合とでは基準が違い、以下の通りとなっています。

中小企業ではまず、この非課税限度額を正しく理解することもポイントとなります。
 

しかし、見ての通り、交通機関を利用すると150,000円もの高い金額が限度額となってしまいます。

 

弊所は、所在地が千代田区にあることもあり、千代田区、中央区、文京区、品川区など都内23区内に会社の事業所があるお客様がほとんどです。

23区内のお客様の事業所へお勤めになる社員の皆さんの会社までの所要時間の状況をうかがうと、近い人で徒歩圏内、大半は1時間程度で収まっています。

都内の会社に勤務する場合、ドアtoドアで片道通勤1~1.5時間を目安基準とするともちろん使用する路線にもよりますが、月額でおおよそ15,000円~20,000円といったところが定期代の相場といえます。

ここで例えば、片道3時間かけてくるという社員がいた場合、経営者・人事担当者はどのように感じるでしょうか?

現実的なケースを想定すると、自然と「うちの会社はこのぐらいが適当だよね」という答えがでてくると思います。

 

ちなみに、この非課税限度額の支給イメージは大企業の重役クラスが新幹線通勤をしても非課税限度内に収まるような内容として設定されており、中小企業の一般社員の通勤事情とは異なっています。

賃金規程で支給基準がないことで想定されるトラブル、問題

さて、では、就業規則や賃金規程でこのような支給基準があいまいになっている、もしくは規程もなにもなかった場合に発生することが考えられるトラブルや問題を考えてみます。

 

1、会社にとって想定外の高額の支給額が発生

採用した当初は会社から近い場所に住んでいた従業員が遠方へ引っ越しを行った際、高額の通勤手当を支給することになってしまうケースです。

社員にとっては非常に良い待遇なのですが、月額数万円にもなる直接的な人件費の増加だけでなく、社会保険の標準報酬等級がアップすることに伴い、社会保険料といった法定福利費も比例して上昇します。

 

2、給与計算、源泉所得税の納税金額の間違い

これは公共交通機関ではなく、マイカー通勤者で発生する事態です。会社から近い社員に対し非課税限度額以上の通勤手当を支給した際、本来は課税しなければいけない分も全て非課税で支給してしまっているケースです。

この場合は税金の計算方法が間違っていることになります。

 

3、虚偽申告による不正受給

こちらもよくあるトラブルのパターンです。実際に公共交通機関での通勤を申請しているにも関わらず、マイカー、自転車など別の手段で通勤をして通勤費を自分のお小遣いにするパターンです。

また、会社から遠くに住んでいた社員が会社の近くに引っ越した場合にも似たような事態が起こることがあります。本来であれば通勤経路の変更届を出すべきところ、故意または過失で会社へ申請を出していない場合です。

 

4、社有車、マイカー利用での万一の事故

リスクとしては最も大きなものがこの事故です。都心部の事業所では、駐車場の問題もあり車通勤を認めている会社の方が少数ではありますが、認める場合には保険加入状況などもしっかりケアしておいた方が無難です。

通勤手当以外の諸手当をどう支給するか?

就業規則や賃金規程で給与体系や支給基準を検討する場合、最も重要なものはやはり基本給となります。

この基本給に加えて、諸手当としてどんな手当を支給するのかを検討するわけですが、実は通勤手当はそこまで悩む部分ではなく、それ以外の手当をどうするのかの方が、お悩みのポイントであることが多いといえます。

私が今までによく相談を受ける例としては、次のような手当があげられます。

・家族手当

・住宅手当

・職務手当

・資格手当

・役職手当

・技能手当

・皆勤手当

・固定残業手当

諸手当については、法律に違反しない限りにおいて、会社が自由に定めてもいい部分であり、その会社の独自性・色がでてくる部分でもあります。

どんな会社にしていきたいのか?

どんな人を手厚く処遇したいのか?

そういったことを給与に反映する仕組みを考えるのも経営者の大事な仕事です。

給与制度のポイントについて知っておくべきポイントについては以下の記事でご説明しております。こちらもご覧頂ければ幸いです。

・ちょうど給与体系を変えたいと思っていた

・頭の中にイメージはあるけど具体的にどうすればいいのかわからない

・法律上のことも理解しながら給与の支給基準を決めたい

・社員のモチベーションをあげる仕組みを給与に取り入れたい

・今の諸手当の支給基準や金額を見直したい

こういったお悩みがございましたら、ぜひ一度ご相談ください。

弊所が中小企業の経営者のお悩みの解決を徹底サポートいたします。

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