労働基準法の改正については既に昨年12月12日に以下の内容が発表されています。
1、割増賃金の割増率の変更
1か月60時間を超える時間外労働については法定割増賃金率が、現行の25%から50%に引き上げられる。
ただし、中小企業については当分の間、法定割増賃金率の引上げは猶予される。(3年経過後に再検討)
2、割増賃金の支払いに代わる代替有給休暇の創設
事業場で労使協定を締結すれば、1か月に60時間を超える時間外労働を行った労働者に対して、改正法による引上げ分(25%から50%に引き上げた差の25%分)の割増賃金の支払に代えて、有給の休暇を付与することが可能。
3、年次有給休暇の時間単位取得
現行法では、年次有給休暇は日単位で取得することとされているが、就業規則に明示し事業場で労使協定を締結すれば、1年に5日分を限度として時間単位で取得することが可能。
年次有給休暇については日単位で取得するか、時間単位で取得するかは、労働者が自由に選択することができる。
上記に加え、平成21年5月29日付にて労使協定で定めるべき事項等の詳細が公表されました。
企業側としては、割増賃金の割増率上昇は即座に人件費の増加に繋がるため代替休暇での対応が予想されます。
この代替休暇を実施する場合には、代替休暇に関する事項を就業規則に明確に記載する必要があります。
その上で、以下の事項を労使協定にて定めることとされています。
(1)代替休暇として与えることができる時間の時間数の算定方法
(2)代替休暇の単位・・・1日または半日単位とすること
(3)代替休暇を与えることができる期間
(4)代替休暇の取得日及び割増賃金の支払日
施行まではまだ時間がありますが自社として、どのような対応をするか事前に協議する必要がありますので、法改正に備えご準備することをお勧め致します。
※以下、労使協定サンプル(クライアント向けサービス)
>> 代替休暇付与に関する労使協定.doc
>> 時間単位年休付与に関する労使協定.doc
【 割増賃金の割増率について 】
>深夜労働との関係性
深夜(22:00〜5:00)の時間帯に1ヶ月60時間を超える法定時間外労働を行わせた場合には、従来であれば深夜割増25%+時間外割増25%=50%でよかったのですが、今後は深夜割増賃金率25%+時間外割増賃金率50%=75%となります。
>休日労働との関係性
1ヶ月60時間の法定時間外労働の算定には、法定休日(例えば日曜日)に行った労働は含まれませんが、それ以外の法定外休日(例えば土曜日)に行った法定時間外労働は含まれます。
この為、1ヶ月60時間超の法定時間外労働が発生する場合には、法定休日の労働には割増率が35%であるのに対し、法定外休日や平日の時間外労働の方が50%と高い割増率になることになります。
割増賃金の計算も非常に難解になるため、今後は法定休日と法定外休日を就業規則にて明確に分けておくことが望ましいとされています。
>法定休日とは?
労働基準法第35条において休日が以下の通り規定されています。
(休日)
第三十五条 使用者は、労働者に対して、毎週少くとも一回の休日を与えなければならない。
2 前項の規定は、四週間を通じ四日以上の休日を与える使用者については適用しない。
この、1週間に1日または4週間に4回の休日を「法定休日」、それ以外の会社で定めた休日を「法定外休日」と呼び法定休日に労働させた場合は35%以上の率で計算した割増賃金を支払わなければならないことになっています。