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※記事更新日:2024年3月7日
こんなお悩みありませんか?
就業規則を作成しようと思ってはいるが、いまいちよくわからない。
社員全員用のを一つ作成すれば管理も楽な気もするけどそれでいいのかなあ?
このような不安やお悩みを抱えている経営者、人事担当者の方も多いと思います。
このページでは、就業規則の適用範囲、作成対象者とその注意点についてご説明いたします。
就業規則の適用範囲を考えるには、まず労働者の定義、範囲を考える必要があります。
なぜなら、就業規則の適用範囲は「労働者」である為です。
労働者の定義を見てみると、労働基準法という法律で以下のように定められています。
この法律で「労働者」とは、職業の種類を問わず、事業又は事務所(以下「事業」という。)に使用される者で、賃金を支払われる者をいう。
賃金を支払われる者、とありますので、正社員以外の契約社員、アルバイト、パートタイマーなど会社に雇用される全ての社員が就業規則の適用範囲であり対象者となります。
就業規則は常時10人以上の労働者を使用する使用者に対して作成が義務づけられています。
この「労働者」には、その会社・事業場で働くすべての労働者についての定めをする必要があります。
よって、正社員・パートタイマー・アルバイト・契約社員といった色々な社員がいる場合には、それぞれの区分に応じた就業規則を作成する必要があります。
ここで、もし様々な区分の社員が存在しているにも関わらず、正社員用の就業規則しか作成していなかった場合は原則として正社員用の就業規則が適用されてしまいます。
パートやアルバイトは個別に労働契約書を結んでるからうちは大丈夫と思っている経営者の方は注意が必要です。
なぜかといえば、就業規則と労働契約書では就業規則に優位性があり、就業規則に規定される待遇が労働契約書よりも良い場合は、就業規則が優先して適用されてしまう為です。
弊社で就業規則の改定依頼を受けたとき、または就業規則のレビュー業務の依頼を受けたときに、よく見かけるNG事例の一つが、就業規則には「パートタイマーには別に定める規則を適用する」などの条文があるにも関わらず、その「別に定める規則が存在しない」というパターンです。
就業規則は社員の区分別にきちんと作成する必要があります。
就業規則と労働契約書の関係性については以下の別記事にて説明しています。
そちらもぜひご覧下さい。
就業規則と雇用契約書の関係性、優位性といったことや、両者を作成するうえでのポイントをご説明します。
正社員、契約社員、パートタイマーといった社員区分ごとに就業規則を作成する必要があるのはお伝えした通りです。
さて、では正社員と契約社員では給与を始めとした待遇差についてどの程度認められるのでしょうか?
いわゆる、同一労働同一賃金の課題です。
この点については労働者の業務の内容、責任の程度、人事異動の範囲を考慮して、不合理なのかどうかが判断されます。
逆に言えば、どうすれば、合理的と判断され、待遇差を設けることができるのかを考えてみます。
1、労働者の業務の内容
正社員と契約社員では質と量どちらかの面で職務の内容をかえることができていれば、待遇差の合理性を担保する要素にはなるでしょう。
中小企業の実態として、正社員と契約社員でまったく同じような働き方をしている会社はその待遇差は不合理とみなされる恐れがあります。
2、責任の程度
この責任の程度、実は難しい部分です。
例えば、契約社員はある等級やある職位までしか昇格できない、管理職にもならない、だから正社員に比べて責任の程度が低い、という根拠をつくろうとします。
すると逆に、契約社員は昇進・昇格のチャンスがないという差別待遇になってしまう恐れもあります。
責任の程度は同じなのに、契約社員だから昇給がない、昇格もない、という場合はこの部分で不合理とみなされる恐れがあります。
3、人事異動の範囲
企業として一番明確にできそうな部分がこの人事異動の範囲です。
具体的にいえば、契約社員は転勤や配置転換がなし。逆に、正社員は転勤もあるし、配置転換もあるようにする。
大企業はここがはっきりとわかれていることが多いと言えます。全国転勤が嫌な場合は通常の正社員の区分からはずれ、給与も別扱いとなることが多いでしょう。
地域限定正社員などもこの人事異動の範囲を限定化することで発生しています。
では中小企業でやろうとするとどうか?当然、従事する仕事の範囲がせまくなり、社員を配置転換(人事異動)させることが難しくなり、柔軟性が失われます。
上記の3点を考慮して、正社員と契約社員の待遇差については、合理的なのか、それとも不合理なのかが判断されます。
政府方針としても、正社員と非正規社員との間の待遇差である、この同一労働同一賃金の是正については今後ますます厳しい目で見られてくることが予想されます。
人件費のコスト増の影響が少ない部分から、徐々に待遇差の解消に着手した方がいいと言えます。
非正規社員の中で立ち位置が難しくなる社員区分の1つが、無期転換社員です。
無期転換社員とは、雇用期間に定めがある有期契約の社員の人が5年を超えて契約をしていると、その人に雇用期間に定めがない無期契約へ転換する権利が生まれるという無期転換権を利用した社員です。
例えば、正社員と同じ勤務時間、勤務日数で働く契約社員がいたとします。
この契約社員の人が、5年を超えて勤務し、期間の定めのある契約社員から期間の定めのない無期転換社員へ移行したとします。
そうすると、この無期転換社員の人の待遇が正社員と一緒になるのか、または、正社員とは異なる待遇があるのか、といったことを検討する必要がでてきます。
なお、2024年4月1日からの法改正により、労働条件の明示事項等が変更になり、雇用期間の定めのある労働者には、以下の事項を明示することが必要となりました。
なお、無期転換後の賃金等の労働条件を決定するに当たっては同一労働同一賃金の観点から、正社員等のいわゆる正規型の労働者とのバランスを考慮した待遇にしなければいけません。
以上のことから、アルバイト、パートタイマー、契約社員、定年後の再雇用者といった有期雇用で働く方がいる企業は、これらのことも踏まえ、就業規則を整備する必要があります。
直接雇用ではない業務委託契約、請負契約で働く人が就業規則の対象となるかも考えていきます。
結論からいうと、これらの契約形態で働く人は「労働者」ではないため、就業規則の適用範囲の対象外となります。
ここで大事なポイントは、契約の名称が業務委託になっていれば全て労働者でなくなるわけではないということです。
弊所がご相談を受ける際にも、業務委託や請負という契約形態であっても実態としては他の社員と同じように働く雇用契約と考えられるケースで業務委託契約を使っている会社をしばしば見かけます。
会社としては、残業代や有給休暇、社会保険料などのコスト負担の面から、雇用契約ではなく請負又は業務委託にしたいという要望がある場合があります。
その意図自体はわかりますが、契約書だけを整備しても、実態として雇用契約・労働者とみなされれば、その人は当然「労働者」となり、企業側には労働者を雇用している責任が発生します。
就業規則の作成を考える際には、社員区分を改めて考えることになります。
その過程で、業務委託や請負で働く人がいれば、それらの契約が適切であるかもチェックしていく必要があります。
ちなみに、請負契約と業務委託契約も混同しやすい契約形態です。参考までに両者の違いを解説致します。適切な契約形態を選ぶ際の参考として下さい
1、請負契約
仕事や物の完成を目的としてなされ、成果物によって報酬が支払わる契約です。
建設業での建物の完成などが代表例です。契約の相手方は事業主となりますので、当然、労働基準法の適用対象外です。労災保険も適用されず仕事中のケガは自己責任になります。
2、業務委託契約
請負に似ている契約形態ですが、こちらは仕事(物)の完成を目的とはしていません。
依頼する業務をやってもらうことを目的としています。似ているというのは、こちらも社員ではなく、事業主扱いで労働法の適用外となるためです。
両者の違いは例えば、工場で製品を100個作ることを条件に結ぶのが請負契約で、その工場を清潔に保つために清掃業務を依頼するのが業務委託契約になる、といったイメージです。
就業規則の適用範囲を考える際には、役員の取扱についてもよく質問を受けます。
役員と就業規則については、以下の記事にて詳しく解説しています。
役員は就業規則の適用を受けるのか?役員規程は作成した方がいいのかといった役員と就業規則についてご説明致します。
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