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インタビュー:企業型DCの検討ポイント

【インタビュー】企業型DCの導入を検討する際のポイント

本日は、就業規則の整備と合わせて企業型確定拠出年金の導入に力をいれているコントリビュート社会保険労務士法人の志戸岡代表にお話を伺います。

よろしくお願いします。

 

よろしくお願いします。

 

さて、早速ですが、「企業型確定拠出年金」という言葉自体をあまり聞いたことがない人も多いかと思います。

まずはこの制度、どういった制度なのかついて伺わせて下さい。

 

はい。企業型確定拠出年金、これは別名として「企業型DC」といいますがこの制度を理解するには、個人の投資・資産運用方法として最近注目されている「iDeCo(イデコ)」と一緒に考えるのがわかりやすいかと思います。

iDeCo(イデコ)は、「個人型確定拠出年金」とも呼ばれ、毎月掛金を自分自身で拠出(積立)をして運用しながら積み立て、原則60歳以降に受け取る個人の年金、資産運用の仕組みです。

企業型DCはこのiDeCo(イデコ)の制度を会社で実施するイメージです。

 

なるほど。将来へ向けた年金、資産運用の制度ですね。なんとなくはイメージできました。

では、個人型のiDeCoと会社が実施する企業型ではどんな違いがあるのですか? 

 

はい。まずは目的が異なります。iDeCoはあくまでも自己責任、自己判断での資産運用、将来へ備えた年金制度であるのに対し、企業型DCは会社が主導して行う「福利厚生」と言えます。

また、制度設計の仕方によっては、毎月積み立てる掛け金を会社が負担することもできますので、「退職金制度」の1つとも言えます。

 

それはわかりやすい違いですね。

福利厚生の意味合いと退職金の意味合いではどのような違いがあるのですか?

 

社員側からすると、そのように考えるのが自然だと思います。

 

不利益変更になるかが重要なポイントだというのはわかる気がしますが、具体的にはどんな点が注意すべき点なのでしょうか?

 

はい。福利厚生と退職金の違いは、企業型DCとして会社が毎月の掛け金を負担するかどうかによって変わります。

企業型DCでは、会社が掛金負担をするか、しないかを自由に決めることができます。

この掛け金負担を会社が実施する場合は将来の年金の積立をサポートすることになり、「退職金制度」の意味が強くなります。

一方で、会社は掛金の負担をせずに、社員本人が掛金を積み立てる制度にする場合は、「福利厚生」の意味合いとなります。

企業型DC導入時の検討ポイント

なるほど。企業型DCの制度について、少しずつ、イメージができてきました。

では、これからこの制度の導入を検討する企業では、どんな点を踏まえて検討していくのがよろしいですか?ポイントなどありますか?

 

たくさんありますが、まずは自社に既に退職金制度があるかどうかは大きなポイントです。

既に退職金制度がある企業でこの企業型DCを導入することを検討した場合には、既存の制度とこの企業型DCのすみ分けが問題になります。

例えば、既存の退職金制度として一定の勤続年数に基づいた退職一時金制度があったとします。

そのような会社で企業型DCを導入する場合には、既存の退職金制度とは別とし、企業型DCを従来の退職金制度の上乗せの制度として考えるパターンもあれば、既存の制度を廃止して企業型DCへ制度移行をすることも考えられます。

つまり、既存の退職金制度がある会社では今までの過去分をどうするか、ということを検討するということです。

 

 

既存の退職金制度がある会社では企業型DCでは導入に当たって、過去分を移管することもできるし、移管せずにそのままとし、別立てにすることもできるということですね。

いろいろなアレンジができるわけですね。

 

改定できないことはありません。

改定することにリスクを抱えることになります。先ほど、不利益変更には原則同意が必要とお伝えしました。しかしこれには例外があるのです。

たとえ不利益変更であっても、その改定内容が合理的であれば、改定を認めますよ、という特例措置があります。

 

なるほど。全てのケースで全員から同意が必要になるわけではないのですね。そこは納得。企業経営者としては少し安心しますね。

 

はい。企業型DCの制度設計では、既存の退職金制度の有無で検討する範囲が大きく変わります。そのうえで、導入後の毎月の掛け金をどのように積み立てていくかという点と、その掛け金を誰がどのように積立て(拠出)をしていくのかという点を、決めることで大まかな制度の方向性が決まっていきます。

 

既存退職金制度の有無と掛金の積立方法が重要なポイントとなるわけですね。では他にも重要なポイントはありますか?

 

はい。次に重要な点としては、メリットと合わせて注意点も合わせて理解したうえで導入を検討することがありますしなければならないという点です。

 

企業型確定拠出年金(企業型DC)の注意点

企業型DCには注意点もあるということですね。

 

はい。企業型DCには会社側、社員側双方に大きなメリットがありますがいくつかの注意点があります。

その1つが、導入時や導入後にはコストが発生することと、それなりに複雑な制度ですのでメンテナンスにそれなりの手間がかかるようになります。

メリットが大きい分、手間やコストはかかる、というわけです。これは、主に会社側の経営者や担当者が考えるべき視点となります。

社員側からみると、企業型DCを導入すること自体にはデメリットは実質ほぼありませんので、会社がお金と手間をかけて、社員のための制度を用意するかどうか、ということも導入する際の判断材料となります。

 

なるほど。とはいえ、実際に導入を検討するとなると、自社だけではなかなか難しそうです。

実際に導入したい場合はやはり専門家に依頼した方がいいでしょうか?

 

はい。専門家へ依頼した方がいいです。

特に、既存の退職金制度がある企業が導入を検討する場合、就業規則や退職金制度の改定にも経験のある社会保険労務士に依頼することをお勧めします。

 

FPや税理士事務所、金融機関などよりも社会保険労務士の方へ依頼する方がいいですか?

 

はい。なぜなら、退職金制度を含めた就業規則の改定は社会保険労務士の専門領域となります。

極論をいえば、労働基準監督署への手続きも含めると、退職金制度の改定業務は社労士しかできません。

 

そうなると、社会保険労務士へご相談ですね。

 

はい。そうなります。難しいのが顧問の社労士の先生に頼んだ方がいいのかどうかです。

既に顧問契約を締結している社労士事務所がある企業様としては、顧問の先生に依頼したいと考えます。

ところが、この企業型DCはなかなか複雑な制度であり、社労士の先生の中でも誰でも対応できる業務範囲ではありません。

実は、弊社にご相談をなされる企業様でも、顧問社労士の先生は別にいるのだけれども、「企業型DCのサポートは対応できないと言われた」という理由で、弊社へ相談に来られるケースも多いです。

 

そうなんですね。

どの社労士事務所でも対応できる業務ではない、非常に専門的な業務なのですね。

コントリビュート社会保険労務士法人でも企業型DCを導入

企業型確定拠出年金に対応できる社会保険労務士事務所は、まだまだ少ないと思います。

弊社では、長年退職金制度の改定のサポートを行ってきた流れから、時代に合わせてこの企業型DCへのサポートもできるように体制を整え、自社でも企業型DCを導入したことも大きいです。

 

おお!

コントリビュート社会保険労務士法人でも導入されているのですね。

 

はい。企業型確定拠出年金もお客様にお勧めするサービスの1つです。

自社で導入して、本当に意義のある良いサービスと実感が持てているからこそ、企業型DCの導入を提案できます。

正直にいって、今まで弊社もたくさんスタッフのために福利厚生などを検討しチャレンジしてきましたが、この企業型DCが一番スタッフにとって喜ばれている気がします。

 

なるほど。社員のためにもなる制度なのですね。これは要注目の制度ですね。

 

はい。細かい部分もたくさんありますので、ご興味を持たれた方はぜひ一度弊社にご相談下さい。

 

本日はありがとうございました。

 

ありがとうございました。

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