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記事更新日:2024年10月1日
本ページは上記のような疑問を持たれる方についてのページです。
労働基準法を中心とした、労働関係法令の遵守状況をチェックするのが労働基準監督署です。
※労働基準監督署は労基署、監督署ともいいます。以下、本ページでは「監督署」と表記します。
このページでは、労働基準監督署の調査と、調査が入っても問題がないようにするための就業規則をはじめとした労務管理体制の整備のポイントについてご案内致します。
監督署は、会社に対し労働基準法等の法律がきちんと守られているかどうかを調査します。
※調査は全くのランダムで当る場合もあれば、従業員からの通報によって発生する場合もあります。
監督署の調査においては、賃金台帳や出勤簿、36協定、就業規則などの帳簿や書類のチェックと、合わせてヒアリングによる調査がメインで実施されます。
また、製造業や建設業などの現場系の業種であれば、安全衛生面での法令が遵守されているかについて、現場の実地調査も合わせて行われます。
この調査、ヒアリングの際に、調査項目について、監督署から指摘を受けたときに、会社側として少なからず主張したいこともあるはずです。
しかし、法律の内容を熟知した人でない場合、会社側の考えや主張をうまく調査担当官に伝えることができない場合もあります。
労働基準監督官は当然のことながら労働法令については専門家、スペシャリストです。
顧問社労士がいる場合は、調査の依頼や通知がきた時点で真っ先に連絡し、調査に関する準備をすすめましょう。
もし、顧問社労士がいない場合は、すぐに依頼できる専門家を探すことをお勧めします。
調査までに日程的な時間の余裕がない場合などは、日程の調整を交渉するか、会社側でできる範囲の準備を行い、会社で整備できていないものは「ありません」、と素直に申告したうえで、指導された内容を1つ1つクリアしていきましょう。
そして、この監督署の調査の結果、法律に違反していることについては「是正勧告」と呼ばれる文書が発行されます。
また、法令違反とまではいえないが、指導した方がいいと判断されることがあればその内容を改善させる為に「指導票」が発行されます。
どちらのパターンでも、指定された期日までに、指摘事項に対して改善を行い、監督署へ報告を行うことになります。
ちなみに、労働基準監督署の調査にも色々な種類があり、概ね以下4つに区分されます。チェックポイントとあわせご紹介致します。
1、定期監督
労働基準監督署は、その年度に策定される行政方針に基づいて管内にある重要な業種や重要調査事項を定めて監督を行っています。
わかりやすく言えば、今年は「飲食業」、今年は「建設業」といったことや最近法律が変わったから今回は全業種まんべんなく「最低賃金が守られているかどうか」を重点的にチェックしよう!!といったもので、これを定期監督といいます。
2、申告監督
俗に言う内部リークです。労働者が、残業代を払ってもらえない、不当解雇された等労働者が労働基準監督署にかけこんだときに、その実態を確かめる為に行なう調査です。
実際には、情報を提供した労働者を保護の観点から1の定期監督を装っての調査の場合もあります。
3、災害時監督
一定規模以上の労働災害が発生した場合、その実態を確認するために調査が行われます。災害原因の究明や再発防止の指導を主目的としており、労働安全衛生法や労災保険法に関する項目が厳しくチェックされます。
また、上記2と同じように労災なのに会社として労災の申請を行なってもらえないときに労働者が監督署へ駆け込んだ際の実態調査としても行なわれます。悪質・故意の違反が認められた場合には最悪、業務停止命令がだされることもあります。
4、再監督
過去に是正勧告を受けたにも関わらず、指定期日までに是正報告書が提出されない場合や会社の対応が悪質・故意であるとみなされた場合などに行なわれる再調査のことです。無論、一度目の調査よりも厳しい目で見られることとなります。
一例として上記をあげさせて頂きましたが、監督署の調査項目は、業種によっても重点的にみられる部分がことなります。
製造業や建設業などは現場での安全衛生管理面について詳しくみられる傾向があります。
逆に、ホワイトカラーの業界・業種であれば、やはり書面でのチェックが中心になります。
監督署の調査が入っても、問題がないように就業規則を整備することは、要は端的にいえば「労働法令を遵守」すればいいわけです。
助成金や補助金といった公的資金の申請を行っているような企業さまであれば、理解がしやすいかと思いますが、改めて就業規則を整備するうえでのポイント、注意点をみていきましょう。
1、古いままの就業規則にしない
まず、これです。就業規則が古くなっており、法改正に追いつけていないのが典型的なアウトの事例。最近は法改正の頻度が高いため、毎年の見直しをお勧めします。
2、就業規則だけ整備して労使協定書を整備していない(逆も)
これもよくあるNG事例です。例えば、フレックスタイムや裁量労働制を適用するとして、就業規則に規定を記載するだけで、労使協定書を整備していない。
また、逆に労使協定書だけ整備して、就業規則にはその規定がないパターンもあります。両方必要になりますので、しっかりと整備しておきましょう。
また、適用する制度によっては、締結した労使協定を監督署へ届出を行う必要があるものもあります。(例:裁量労働制など)
3、就業規則の内容が実態と合っていない
これも1の「古い就業規則」に関連する事象ですが、規則の内容と給与計算の計算の方法が違っていたり、就業規則の内容と実態があっていないことがあります。
当然、規則に基づいて会社運営、労務管理を行う必要がありますので、ここも重要ポイントです。
4、そもそも就業規則や規程がない
このパターンはひな型を利用した場合にしばしば起こるNGの事例です。
例えば、正社員用の就業規則に「パートタイマーについてはこの規則は適用せず別に定める」とあるのに、別の規則を作成していない、というのがよくあるパターンです。
他にも、弊社にご相談に来られた時点で就業規則をチェックすると、就業規則の本則は作ってあるが、賃金に関して定める賃金規程がなかったり、退職金制度を運用しているのに退職金規程がない、といったケースもありました。
5、就業規則を周知していない
これはもう論外です。社内に就業規則を周知していなければ、その就業規則の効果がありません。
6、労働者代表者の選出が不適切となっている
就業規則の内容ではなく、作成から運用にかかるプロセスの問題です。就業規則を作成、改定した場合は、労働者の過半数代表者から意見を聴取する必要があります。
この際の労働者代表者の選出方法が会社側が指名していたり、労働者代表者になれない立場の「管理監督者」が労働者代表者になっていたりすると法令違反、アウトです。
いかがでしたでしょうか。
就業規則の細かな内容に入る前の大枠としての注意点でも上記のようなものがあります。
自社の状況をチェックして、もし該当する部分があればすぐにでも改善しましょう。
※就業規則の周知については以下のページでも解説しております。
就業規則を社員に周知徹底し、浸透させて運用していくための法的な要件、ポイントについてご説明します。
できることなら、労働基準監督署の調査には、当たりたくない…、と考えてしまう人事担当者の思いもよくわかります。
一見すると、労働基準監督署の調査は企業にとって厳しい試練に思えるかもしれません。
しかし、この調査の機会を利用して労務管理を見直し、より良い職場環境を築くためのきっかけにする、という前向きな考えもできます。
調査を受けた企業の人事担当者が労務管理に前向きに取り組むためのポイントをご紹介します。
1、就業規則を見直し、整備
労働基準監督署の調査は、就業規則が現代の労働環境に合っているかどうかを確認する絶好の機会です。
就業規則は、従業員と企業の期待することを明確にし、労使双方の権利と責任を定めるものです。
不明瞭な点や古くなった社内のルールを「今の時代」に合わせて更新し、従業員の働きやすさと企業の運営効率を高めていきましょう。
2、労働時間の管理の強化、徹底
適切な労働時間と休息時間の管理は、従業員の健康と生産性の保持に不可欠です。
近年の労働基準監督署の調査においても、36協定の遵守状況の確認をはじめとした労働時間管理は、最重要項目ともいえます。
時間外労働の削減や適切な休息時間の確保など、労働時間管理の改善に取り組みましょう。時間外労働が減り、企業の生産性をあげることは、従業員の満足度の向上や待遇への改善にもつながり、長期的には企業のパフォーマンス向上にもつながります。
3、安全衛生管理の徹底
労務管理や労働法についての法令遵守意識が高い企業においても、監督署の調査で指摘をうけることが多いのが、この健康診断を含めたこの安全衛生管理に関する事項です。
職場の安全と健康を守ることは、法的義務だけでなく、企業が従業員を雇用するうえでまっさきに守るべき重要事項です。
この安全衛生管理の面で行政指導をうけてしまう原因は、法令が複雑であることもあり、詳しいことを「知らない」ことも原因の1つとなっています。
例えば、定期健康診断1つをとっても、健康診断を実施すればそれで大丈夫、と思っている人事担当者は多いのが実態です。
しかし、定期健康診断等を実施した結果、異常の所見があると診断された労働者については、医師又は歯科医師から意見を聴くことが必要になります。
このように、人事担当者としても、知らないことがたくさんありますので、調査をきっかけとして1つ1つ労務管理のレベルをあげていくことが重要です。
4、労務管理の研修・教育を行う
労務管理を整備するうえで、従業員のスキルアップと意識向上は欠かせません。
あまりうまくいかないパターンが会社の管理部、人事部の人だけが必死になっているものの、現場の管理職が労働法規や安全衛生管理、ハラスメント防止といった労務管理に無関心、または意識が非常に低いといった状況です。
働きやすい職場、いい人材が定着する職場を作るためには、管理職層が労働法令に関する知識を身に着け、現場において適切な対応をすることが求められます。
労働基準監督署の調査を、労務管理を見直し、改善する絶好の機会と捉えましょう。
適切な労務管理は、「働きやすい職場」をつくることに繋がります。
ぜひ前向きに取り組みましょう。労働基準監督署の調査や、労務管理の整備にお悩みの企業様は弊社にご相談下さい。
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