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企業型確定拠出年金のメリット

企業型確定拠出年金(企業型DC)制度のメリット

記事更新日:2024年6月10日

  • 企業型確定拠出年金の制度導入を検討しているが、いまいちどんなメリットがあるかわからない。
  • 確定拠出年金の社員側にメリットがあることは聞いたことがあるが、会社側にもメリットがあるのかどうか知りたい。
  • 確定拠出年金のメリットを把握して、導入する価値があるのかどうか検討したい。
  • 確定拠出年金という制度の名前は聞いたことがあるものの、どんなメリットがあるのか理解ができていない。

確定拠出年金は最近、中小企業でも導入が増えてきている制度ですが、中小企業退職金共済(中退共)などに比べれば、まだまだ認知度が低い制度です。

言葉だけは聞いたことがある人でも、上記に書かれているような疑問をもつ人も多いかと思います。

このページでは、このような確定拠出年金のメリットについての疑問がある方向けに、確定拠出年金のメリットを解説しています。

このページに書かれているポイントを理解して、導入の検討を進めて頂ければ幸いです。

企業型DCの企業側のメリット

企業型DCには、企業側と従業員側それぞれにメリットがある制度です。

企業側のメリットとしては、以下があげられます。

1、退職金原資の積み立ての悩みがなくなる。(積立不足が生じる心配がなくなる。)
退職金制度を検討する際に、長期間の将来の給付額を約束する従来の方式では、中小企業では、退職金の積み立て不足の心配が生じます。また、自社の退職金制度に合わせて、退職金原資をどのように積立てていくべきか?というお悩みをお持ちの中小企業も多いと思います。

以前は、未来の退職金のために、生命保険に加入する、という企業が多かったことと思います。

しかし、行き過ぎた節税のための生命保険に対しては国の規制が強くなってしまい、以前のような「割のいい」保険商品はなくなりました。

企業型DCは、掛金を拠出した時点で企業の負担は確定し、積立不足は発生しない仕組みです。そのため費用予測が容易で、退職金の積立に関する悩みがなくなります。

 

2、退職給付債務が発生しなくなる。

中小企業においても、退職金規程により退職金制度を設けている場合には、退職給付債務を計上する必要があります。このような場合に、企業型DCを導入することにより退職金制度の内訳として設計とする場合には、退職給付債務の一部または全部を確定拠出年金制度により事前準備することが可能となります。

また、思い切って既存の退職金規程を廃止し、今後は確定拠出年金制度のみとした場合、退職給付債務の計算そのものが不要となります。

 

3、企業型DCの掛金は全額損金とすることができる

これは当たり前のメリットですね。企業型DCの掛金については、中退共の掛け金などと同じように、全額損金に算入させることができます。

 

4、従業員に対しての福利厚生制度の1つとして採用ブランドと社員満足度向上につながる

この4つ目のメリットも見逃せません。最近の若手社員の企業選びのポイントの1つとして、「安定している会社」というものがあります。

そして、この「安定している会社」について、どんな部分に企業に安定性を求職者が感じるかというと、「福利厚生が充実している」という回答※があるようです。

※「マイナビ2023年卒大学生就職意識調査」より。

また、個人的に思うのは、企業型DCを導入することで、従業員1人1人の資産形成のサポートができるという面です。

以前、老後の2,000万円問題がニュースで大きく話題になりましたが、給与収入/労働収入だけで老後に向けて2,000万円を用意するのは正直難しいと思います。

大企業や公務員であれば、退職一時金が2,000万円になることも一般的かと思いますが、世の中の大部分を占める中小企業で2,000万円の退職金制度を導入/保持している企業はほぼないでしょう。

もちろん、企業型DCを導入すれば、この2,000万円問題がすぐに解決するわけではありませんが、解決への糸口にはなります。

将来へむけて賢くお金を残すために、企業型DCは良いプランと言えます。

企業型DCの従業員側のメリット

次に、従業員側のメリットをご紹介します。従業員の方のメリットとしては以下があります。

 

1、企業型DCの掛金が所得控除、社会保険料算定の対象外
iDeCoと同じように、企業型DCの掛金は所得控除の対象となります。また、企業型DCの場合は、給与の一部から拠出された掛金が社会保険料の算定の対象外となるため毎月支払う社会保険料(自己負担分)の軽減効果が期待できます。

 

2、運用益が非課税になり、iDeCoよりも掛金の上限が多い

運用益について税金がかからないという点はiDeCoと同じです。しかし、会社員の場合、iDeCoの掛金は最大で月2万3000円ですが企業型DCの場合の掛け金の上限は最大5万5000円と、約2.4倍となります。

 

3、全てにおいて自ら選択可

企業型DCを選択制で導入すると、従業員自身が掛金を拠出するかどうかを1人1人ご自身で選択することができます。

企業型DCの掛け金として将来に積み立てをしたい人はすればいいですし、掛け金拠出よりも、「今の」給与としてもらいたい人は掛金拠出をしないこともできます。

また、掛け金拠出をすることを選択した人は、その投資先の運用商品をご自身で選ぶことができます。

リスクをとることが嫌な人は元本が保証される「定期預金」がありますので心配ありません。

一方で、リスクをとって運用益を増やしたい人は様々な選択ができるようになっています。この自由度の高さも企業型DCのメリットと言えます。

 

当事務所では、経営者や人事担当者の方からのご相談をお待ちしております。お気軽にお問合せ下さい。

こちらの記事もお勧め!企業型DCのノウハウ・ポイント

  1. 企業型確定拠出年金とは?全体概要
    まずはここからお読み下さい。
  2. 企業型確定拠出年金のメリット
    企業型確定拠出年金のメリットを企業側、社員側それぞれの立場でのメリットについてご説明いたします。
  3. 退職一時金制度から企業型確定拠出年金への移管
    既に退職金制度が自社にある場合に、既存の退職金制度から企業型確定拠出年金に移管を行う場合の仕組みや方法についてご説明します。
  4. 企業型確定拠出年金のよくある質問
    企業型確定拠出年金についてよくある質問についてまとめています。

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