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記事作成日:2026年4月7日

「副業を認めたいが、就業規則に何をどう書けばいいかわからない」
「逆に副業を禁止したいが、書き方が曖昧で実際に機能するか不安」
こういったご相談を、弊所には日々いただきます。副業・兼業をめぐるルールは、国が「原則容認」の方向へ動いており、就業規則の内容が時代遅れのままになっている会社が少なくありません。
この記事では、就業規則に副業・兼業の規定を設ける際の3つのパターンと具体的な条文記載例、そして中小企業がとりわけ注意すべきポイントを解説します。
就業規則に副業に関する規定がない場合、法律的にはどういう状態でしょうか。
答えは「原則として副業は自由」と解釈されます。
過去の最高裁の判例でも、労働者が労働時間外の時間をどう使うかは基本的に個人の自由であり、企業がこれを制限するには「合理的な理由と就業規則への明記」が必要とされています。
つまり、就業規則に何も書いていない状態で「うちは副業禁止だ」と言っても、法的根拠がなく、懲戒処分もできません。
「なんとなく禁止の雰囲気」で運用してきた会社は、今すぐ就業規則の整備が必要です。
一方で、「副業を認める」場合も、ルールを定めておかないと情報漏洩・長時間労働・本業への支障といったトラブルが起きたときに対処できません。
厚生労働省が作成するモデル就業規則の内容も、時代の流れとともに、副業に関する規定は「原則自由」という表記に変わっています。
企業としては、副業についてどのようなルールを設けるかを就業規則に定める必要がある時代になってきています。
就業規則への副業規定には、大きく3つのパターンがあります。
①完全禁止
シンプルに副業・兼業を一切認めない、という規定です。昔の就業規則はこのタイプの規定が多いと言えますが、今の時代一切認めない、というのは「公序良俗違反(民法90条)」や「職業選択の自由(憲法22条)」の侵害とみなされ、裁判で争った場合に会社側が負ける(その規定自体が無効、または適用が認められない)可能性が高いです。
では、なぜ「一律禁止」は通用しづらいのか?
これは、現在の法令の解釈や裁判所の考えとしては「労働者が勤務時間外に何をしようと、それは労働者のプライベートであり自由である」というスタンスになっているためです。
そのため、「理由を問わず、一切の副業を禁止する」という規定は、昔はまだしも今の時代は労働者の私生活に対する不当な干渉とみなされます。
この一切認めないタイプの規定になったままの規定は見直しをした方がいいといえます。
②許可制
現状多くの会社がとっているルールがこの許可制です。事前に申請し、会社が審査・許可する業務フローにします。
副業を認めたいが内容を把握・管理したい会社はこの許可の内容を規定で定めておきましょう。
中小企業に多いのはこの②の許可制です。社員の状況を把握しながら、問題のある副業だけを断れる点でバランスが取れています。
③届出制
②の許可制よりも緩く、届け出れば原則OK。副業を積極的に推進・容認したい会社向けの規定です。
なお、厚生労働省のモデル就業規則では③の届出制が採用されております。これは、国の方針としても「副業・兼業の促進」が明確に打ち出されていますので、その方針とも合わせた内容になっています。
パターン② 許可制の場合(推奨)
第〇条(副業・兼業の許可)
1. 従業員は、勤務時間外において副業・兼業(他の会社等の業務への従事、または自ら事業を営むことをいう。以下同じ)を行おうとするときは、事前に会社所定の申請書を提出し、会社の許可を得なければならない。
2. 会社は、前項の申請に対し、次の各号のいずれかに該当すると判断した場合は、許可を与えないことがある。
一 労務提供上の支障が生じるおそれがあるとき
二 会社の機密情報または顧客情報が漏洩するおそれがあるとき
三 会社の名誉・信用を損なうおそれがあるとき
四 競業により会社の利益を害するおそれがあるとき
五 コンプラィアンス上の問題が生じるおそれがあるとき
六 前各号に準じる事由があると会社が認めるとき
3. 許可を受けた従業員は、副業・兼業の内容に変更が生じた場合、速やかに会社に届け出なければならない。
・ポイントとしては不許可の事由(第2項各号)を具体的に書くことで、従業員に対して「どういう副業はNGか」を事前に示せます。
恣意的な運用と見なされないためにも、この部分は丁寧に書いておくことが望ましいと言えます。
パターン③ 届出制の場合
第〇条(副業・兼業の届出)
1. 従業員は、勤務時間外において副業・兼業を行う場合は、事前に会社所定の届出書を提出しなければならない。
2. 会社は、前項の届出に対し、次の各号のいずれかに該当する場合は、副業・兼業を禁止または制限することができる。
一 労務提供上の支障が生じるおそれがあるとき
二 会社の機密情報または顧客情報が漏洩するおそれがあるとき
三 会社の名誉・信用を損なうおそれがあるとき
四 競業により会社の利益を害するおそれがあるとき
許可制との違い:届出制は「届け出れば原則OK」であるため、従業員の自由度が高くなります。会社側は禁止事由に該当する場合のみ制限をかける形です。
上記の条文にある副業の「禁止事由」は、厚生労働省のガイドラインや裁判例から導かれた基準となりますが、表現がやや曖昧で実務上はどういった場合に禁止できるか判断に迷うケースがよく起こります。
では、この禁止事由をより具体的に定めたい場合はどのような規定に変えるかを見ていきましょう。
①労務提供上の支障
曖昧なままだと「本人が問題ないと言い張る」ケースが起きます。以下のように具体化を検討することが考えられます。
例えば、「副業・兼業による疲労が蓄積し、遅刻・欠勤・業務上のミスが生じていると会社が認めるとき」
②機密情報・顧客情報の漏洩リスク
「副業先が自社の顧客と競合する関係にある場合、または業務の性質上、自社の機密情報を副業先で利用するおそれがあるとき」
といった規定が考えられます。「競合する関係」の業種を特定し明確にしておくことなどもアイデアとしてはあります。
③名誉・信用の毀損
「反社会的勢力が関与する業務、または社会的に非難を受けるおそれのある業務への従事」
④ 競業による利益侵害
「自社と同種または類似の事業を営む会社への就労、もしくは自ら同種事業を営む場合」
❌ 間違い① 「副業禁止」とだけ書いてある
禁止できる事由の記載がないまま「副業は一切禁止」とだけ書かれた就業規則は、法的に有効性を争われるリスクがあります。
改定していない古い就業規則はこの「副業は一切禁止」の規定が多いと言えます。「なぜ禁止するか」の理由を条文に落とし込むことが不可欠です。
❌ 間違い② 申請書類の書式を用意していない
就業規則に「申請書を提出すること」と書いてあるのに、申請書のフォームが存在しない会社があります。就業規則と書式はセットで整備してください。
これは過去から副業の申請が1件もなかった企業によく起こります。実際に社員から副業に関する相談や申請が来る前に整備しておきましょう。
❌ 間違い③ 副業を許可した後のフォローがない
副業を許可した後、労働時間の通算管理が必要になる場合があります(自社の所定内労働時間+副業先の労働時間が法定時間を超えた場合、残業代・割増賃金が発生します)。
いかかでしたでしょうか?
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